注意点
本アプリは作成した試験の保存、読み込み、検査結果の解析はできません。
本アプリを使用する際には、マイクへのアクセスを許可していただく必要があります。
詳しくは、http://ryohei-komatsubara.comをご覧ください。
TDSは、正式にはTemporal Dominance of Sensationsといいますが、その頭文字を取っ
てTDSと呼ばれます。例えば、食物を口にした時に、食物が口の中に留まる時間が長くな
ると、味が変化して感じられる時があります。例えば、飴を口にした時、最初はあまり甘
さを感じなかったのが、時間が経過すると甘味が強まってきますが、さらに時間が経過す
ると今度は甘味に慣れてしまって、甘味をだんだん感じなくなるということがあると思い
ます。このような感覚の強さの時間的な変化過程を測定する手法の一つがTDSです。食品
や化粧品をはじめとする様々な製品に対する感覚の強さの時間的変化を知りたい人にぜひ
使っていただきたい手法です。
感覚の強さの時間的な変化過程を調べる方法には、この他にTIがありますが、TIでは、
複数の感覚を調べたい時(例えば、甘味と塩味について調べたい時)には、感覚ごとに別
々に測定しなくてはなりませんが、TDSの場合は、すべての感覚の時間的な強度変化を同
時に測定することができます。
J-SEMS:TDSでは、iPadの画面に調べたいすべての感覚のボタンを表示します。検査の
参加者は食物を口にした時から測定終了時まで、これらの感覚のボタンの中から、その時
々で一番注意を引かれたと感じるボタンを選択して、押します。それぞれのボタンが選択
された時間帯がコンピュータに記録され、時間ごとにそれぞれの感覚のボタンが選択され
た度数が累積され、それを基に経過時間毎の選択比率が求められます。次に、その選択比
率をグラフにプロットし、そこで得られたグラフにフィットする曲線をあてはめます。こ
の曲線がTDS曲線といわれるものです。TDS曲線は、感覚ごとに描くことができます。そ
して、試料間で、これらのTDS曲線を比較することで、それぞれの試料の特徴を捉えるこ
とができます。
J-SEMS:TDSでは、統計的な検定を行うこともでき、ある感覚の選択比率が統計的に有
意に高い時間帯はどこだったのかを表すことができ、同時に2つの試料間で選択比率に違
いがあった時間帯はどこだったのかを表すことができます。
TDSは、味覚の強さの変化だけでなく、香りに対する強さの変化や、触覚や視覚の強さ
の時間的変化なども測定することができます。